ギア特集, 編集部のウェブコラム
Vol.28 :: 弾道の高さを合わせるアイアン選び
マスターズが終わり、小平智がツアー初優勝を遂げ、俄然ゴルフファンの注目を集めるPGAツアーだが、4/5発売で掲載のマスターズ出場選手のクラブセッティング特集で、興味深い事実を発見した。それは、PGAツアープロのアイアン構成だ。キャビティバック形状、マッスルバック形状の使用率はほぼ同数で、数字上ではキャビティがわずかに上回っている。
だがマッスルユーザーでも、ロングアイアンだけキャビティタイプをチョイスしたり、中空タイプのモデルを入れたりする選手がほとんどだ。ツアーのコースセッティングを考えると、飛距離もそうだが、グリーンを狙うショットには高さが必要で、上から落としてグリーンで止める弾道が求められているのだ。低スピン傾向が高まるウレタンボールで高さを出すためには、キャビティ形状がうってつけという訳なのだ。
そこから派生して、意外と多いのが4~6I(or 4~7I)をキャビティ、その下をマッスルとする、いわゆるコンボセッティング。タイトリストでは4~6IをMB718、7~9IをCB718に。キャロウェイでは4~5IをXフォージド、6~9IをAPEX MBにしているケースが多いようだ。こうすることで弾道の高さは揃えられるようにはなる。だがモデルが異なれば重心距離などの操作性が変わることも考えられる。その辺のところは、試打しながら上の番手から下の番手まで同じ感覚で打てるように調整できる環境を備えるツアープロならではと言えるだろう。
厳しいコースセッティング攻略のためには、道具を駆使することがPGAツアーでは鉄則なのだ。一般ゴルファーにとってコンボにすることは、2セット必要ということと、キャビティからマッスルにスムーズへ振りやすさをつなげる難しさから、現実的ではないが、面白い構成ではある。
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